羽山涼子Ryoko Hayama

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子どもと料理をする時の道具の選び方

家庭で子どもへの食育を実践する際、一番イメージしやすいのは子どもと一緒に料理をすることですよね。でも、私達母親にとって、子どもをキッチンに招き入れるのはなかなか勇気のいるもの。今回は、子どもが安全に、そして楽しく料理をするためにはどんな道具を選んだらいいのか、というお話をしますね。

包丁選びのポイント

料理をする際には様々な道具を使いますが、一番悩むのは包丁ですよね。包丁は使い方によっては大けがにもつながるので、子どもに合ったものを選ぶことが大切です。具体的なチェックポイントは重さ、先端とあごの形、刃の形状の3つです。

まず重さですが、包丁全体が金属ででいているようなタイプはおしゃれで素敵ですが、子どもには重すぎる場合があります。特に低年齢の子は持ち手はプラスチックでできている物の方が軽くて扱いやすいでしょう。

次に先端とあごの形ですが、子どもに渡す包丁はこの部分が丸まっている物を選びましょう。子どもとの調理の場面では思いもよらない事が起こる事もあります。先端やあごの部分が尖っていると、どこかに突き刺さり、大けがにつながる可能性があります。

最後に刃の形状についてです。子ども用の包丁にはギザ刃のものと普通の刃のものがりますが、低年齢の子やお料理が初めての子はギザ刃の方がおすすめ。食材の上で刃が滑りにくいので安全ですし、包丁をスライドするように動かさないと切れないので、正しい包丁の動きを身に付けやすいからです。

包丁以外の道具の選び方

包丁以外の道具については、あえて「子ども用」とされているものを選ぶ必要はありません。逆に大人用の物の方が良かったり、いくつか注意が必要な物があるのでご紹介しますね。

1つ目はまな板についてです。子どもって、包丁で切る時にすごく力が入る時があります。その時にまな板が滑ってずれてしまうととても危険なので、滑り止めがついている物を選ぶか、滑り止めがついていない場合はまな板の下に濡れ布巾を敷くようにしましょう。大きさは子ども用の小さいものより、ある程度大きなものを使った方が、切っている時にまな板の外に食材が飛び散らないので、親子ともにストレスが少ないです。

2つ目はピーラーです。野菜の皮を剝くのに便利な道具ですが、手に当たった場合は包丁よりも大きなけがにつながる事があります。ピーラーを安全に使うには、使い方の説明も大事ですが、使いやすいものを選ぶことも大事。具体的には持ち手が子どもの握りやすい形状かという点と、切れ味が良いかという点をチェックしましょう。持ち手に関してはU字型、T字型、I字型とありますが、実際に子ども達と使ってみた印象では、T字型が一番使いやすそうです。切れ味に関しては、切れ味の悪いピーラーを使うと、無駄な力が入ったり、食材の上で刃が滑ってしまい反対の手を切ったりする危険が増すので、軽い力で剥けるくらい切れ味の良いものを選ぶことが大事です。

3つ目はお鍋です。子どもが調理する際、プロの料理人のようにお鍋の方をゆすって調理する事ってほぼないですよね。そうであればお鍋はある程度の大きさがあった方がコンロの上で安定しやすく、また混ぜた時にお鍋の外に食材が飛んでいくことが少なくなります。子どもが扱いやすいように、と小さいすぎるものを選ばない方が良いでしょう。

4つ目は菜箸やお玉、フライ返しなどです。これらは大人用の物で大丈夫ですが、使う際にどこを持ったら良いかをしっかり伝えるようにしましょう。長く持ちすぎると扱いづらいですが、短く持ちすぎると鍋肌で火傷をする危険が増します。持つ部分が伝えやすいような色や模様がついている物を選ぶか、シールなどで「ここを持つよ」という部分を示してあげると子どもにもわかりやすいですね。

5つ目は泡立て器です。こちらも大人用の物でいいのですが、大人用として販売している物でも、持ち手の太さや全体の長さが少し小ぶりになっている物を選んだ方が子どもでも使いやすいです。また、泡立て器を使う時は、長く混ぜる工程の事が多いので、なるべく軽いものを選ぶ方が良いと思います。

道具1つで調理は楽しくもつまらなくもなる

子どもと安全に料理をするためには、子どもに合った道具選びはとても大切なポイントになります。また、子どもにとって扱いやすい道具かどうかは、安全面においても大事ですが、同時に子ども達が楽しく作業できるかという部分に大きく関わってきます。

高級な道具をそろえる必要はありません。今は100均などでも様々な調理道具が売っています。今回ご紹介したポイントを参考に、子どもが使いやすく、またワクワクするような道具を選んで、調理を楽しんでくださいね。

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