羽山涼子Ryoko Hayama

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子ども同士で料理をするメリット

私が運営する食育スクール(青空キッチン京都仁和寺校)には幼児クラス、低学年クラス、高学年クラスがあるのですが、低学年クラスと幼児クラスは、学校や幼稚園もバラバラ、学年もバラバラのメンバー構成になっています。

最初は知らない子とグループになる事で戸惑う感じもありますが、4人までの少人数レッスンという事もあり、2〜3回レッスンに来ればすっかり仲良くなります。

学校以外の友達ができるのは習い事の利点ですが、私が何よりも素敵だなと思うのは、年齢が異なる子ども同士で協力し合いながら料理作りに励んでいる姿勢です。

小さい子は大きい子の真似をすることで色々な事を吸収していきますし、大きい子は小さい子のお手本になるように頑張ることで、小さい子に教えてあげる優しさが育つ、そんな風に感じます。

先日、幼児クラスで実施した「海鮮チヂミレッスン」では、生徒さんのほとんどがエビが苦手。でも最年少の4歳さんが「僕、エビ大好き!」と発言したことで、年少さんには負けていられないと刺激を受けたお兄さんお姉さんが「1つくらいは食べられる!」と頑張って食べていました。

逆に海老が大好きな4歳さんは、実はニラが苦手だったのですが、皆が食べている雰囲気に流されペロリと完食!そしてお母さんからは「以前は小さく刻んだニラでさえ全てよけていたのに、レッスンでは家でだすものよりもはるかに大きいニラをパクパク食べていて驚きました。大きいお兄ちゃんが大きな口で食べてるのがかっこよく見えるみたいで、レッスンでは本当によく食べます。」と嬉しいご報告をいただきました。

また、レッスンの初めと終わりに挨拶をするお当番がいるのですが、うちの幼児クラスの子達は恥ずかしがり屋さんが多く、なかなかお当番に挑戦できずにいました。でも、最年長の6歳さんに「もうすぐ小学生のお兄さんだから、ちょっとかっこいいところ見せて」とお願いしたところ、頑張って初挑戦してくれ、先生からもお母さんからも、他のお母さんからも拍手の嵐👏

そうしたら、次のレッスンでは5歳さんが「私、今日、ご挨拶する」と申し出てくれ、さらにその次レッスンでは4歳さんが「私、ご挨拶できる」と素敵な連鎖が起こりました。

他にも、レシピ読みにつかえている1年生を2年生がフォローしてくれたり、1人分の分量から4人分の分量を計算する時に、掛け算がまだの2年生に3年生が教えてくれたりなど、学年や年齢やが違うからこその優しいやり取りが、低学年クラスではたくさん見られるんです。

私の食育スクールでは、運動系の習い事や音楽系の習い事と違って、技術習得にはあまり重きを置いていません。もちろん月に2〜3回ずつお料理を続けていくので、半年もすれば調理技術は格段に上手くなります。ですが、子ども達はお料理の練習というよりは「楽しく作って、楽しく食べる場所」という感覚で取り組んでいます。

楽しい雰囲気の中なら、お友達への優しさや、苦手な事に挑戦する心が育ちやすいものです。お家でお母さんと一緒にキッチンに立つのも、子どもにとっては楽しい貴重な経験になりますが、こうして年齢の異なるお友達と一緒にお料理をすることで、子ども達の心の成長をより一層促すことができますよ。

2022年09月22日

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